掲載日:令和7(2025)年3月 日
農を活用した地域活性化の取組 ~深大寺・佐須地域農の風景育成地区~
深大寺・佐須地域農の風景育成地区について

「農の風景育成地区制度」とは、農地や屋敷林などがまとまって残る地区を指定して、地域の方とともにまちづくりとして農のある風景を守り、育てる都独自の制度です。
この地区は、令和2(2020)年7月、5番目に指定されました。調布市の中北部に位置し、国分寺崖線の緑と崖線由来の湧水を水源とする水路、その水路に沿って広がる田畑などが一体となって、里山の風景が今もなお残っている地域で、「調布市緑の基本計画」において重点計画の1つとして掲げている「農(みのり)の里計画」の対象地区の1つにもなっています。
「農の風景育成地区」指定にあたっては、この地域を自然環境資源の保全・活用の重点地区とし、モデル地域として先導的事業を展開し、地域の環境保全・活用を図るとともに、深大寺・佐須の自然と共生しながらその豊かさを人々が共有できる里(地域)である『深大寺・佐須ふれあいの里』を目指しています。
地域の田園風景を保全する取組
市内でも貴重な里山風景を残すこの地域の環境資源を、将来にわたって保全していくことを目指すため、「調布市深大寺・佐須地域環境資源保全・活用基本計画」が策定されています。この計画に基づき、地域の農家や市民と協力して、田園風景を保全するための農地保全の取組、国分寺崖線や谷戸の自然環境の保全・活用、市民による環境保全活動の充実などの取組を進めています。
活動の輪を広げ、環境保全活動を充実
調布市では、地区内にある深大寺自然広場を「市民との協働のもと樹林の保全や農との触れ合いの場として利用を図る」と位置付け、「雑木林ボランティア講座」の開催等を通じ、雑木林の重要性や楽しみ方等を市民に伝え、雑木林や里山のある風景を守りたい市民を増やしていくことを目指しています。
崖線樹林地「かに山」のガイドマップ
環境活動を行う市民団体「ちょうふ環境市民会議」との協働により、令和2年に作成し、「雑木林ボランティア講座」などで配布し、周知しています。このマップでは、深大寺自然広場(通称カニ山)の崖線樹林地に生息・生育する動植物や、崖線樹林地で活動する市民団体の紹介をしています。


農業公園の整備と活用(田畑を活かした公園整備)
多くの市民が農と触れ合うことができる拠点として、農業者や市民との協働により、援農ボランティア等の育成や農業の理解を図るため、トイレや管理棟なども備えた深大寺・佐須地域農業公園(北農業公園・南農業公園)が令和6年7月に完成しました。
この公園の用地は、買取申出のあった生産緑地を市が取得したもので、田畑を活かした整備が行われました。
整備前から、NPO法人などとの協働により、田畑を活用して農に触れあう環境学習などの場として利用されてきましたが、開園後は農業体験などのイベントを開催し、情報発信、環境学習、地域コミュニティの輪が広がる交流の場としてさらなる利用が見込まれています。

農地の維持と将来世代への継承
深大寺・佐須地域の農地を今後とも維持していくためには、農業者に営農を続けていただくための取組が重要になります。市では、都市農業特有の課題解決のための営農支援や、用水路の水量確保、地場産農産物の流通促進などに取り組んでいます。また、直売マップを作成し、各農家の庭先販売、地域の農業関係団体の直売所、大規模小売店舗での直売コーナーなどを紹介しています。農業・産業振興に係る様々な団体と連携し、電子マップでも情報発信しています。

農産物直売所マップ
<参考リンク>