掲載日:令和7(2025)年3月 日
農を活用した地域活性化の取組 ~鹿骨地域農の風景育成地区~
鹿骨地域農の風景育成地区について
「農の風景育成地区制度」とは、農地や屋敷林などがまとまって残る地区を指定して、地域の方とともにまちづくりとして農のある風景を守り、育てる都独自の制度です。
この地区は、令和5(2023)年4月、6番目に指定され、「手をのばせば つながる ~歴史と農の広がるまち鹿骨~」を目標に取り組んでいます。
江戸川区の東部に位置し、付近を新中川や江戸川が流れ、かつては水田が広がる田園地帯だったこの地域には、現在でも区内で最も高密度に農地が分布しています。
小松菜発祥の地でもあり、花卉栽培も盛んな鹿骨地域では、鹿骨親水緑道や流堀親水はなのみちなどが緑のネットワークを形成し、多くの社寺や古木・大木が残されるとともに神社の例大祭など伝統文化が継承されています。地域の魅力である、農と住環境が調和したまちなみを保全し将来へ継承するため、農家と地域住民、行政が協力し、地域連携により農の風景の保全に取り組んでいます。

区民のアイデアをもとにした取組
地区指定にあたり令和4年に開催されたワークショップには、農家・農業関係者・住民等を対象に、地区の内外を問わず参加者が集まり延べ189人が参加しました。区の取組方針のもと、農の風景を地域連携により保全するための「ワークショップによるアイデア集100!」や、今後のまちづくりの目標などの検討が行われました。


農に親しむ「鹿骨四丁目ひろば」

江戸川区では、育成地区の目標を実現するため、様々なものをつなげるネットワークの「要」になることを目指し、農業公園の整備を行いました。
「鹿骨四丁目ひろば」は、生産緑地だった農地を区で取得し、公園として再整備を行いました。農地だったことを活かして中央部は農地として整備され、現在はパンジー・ビオラ・コキアなどの季節の花々を地域住民の方と一緒に管理しています。
ひろばづくりをする中で、鹿骨の「農」の風景と歴史を活かし、ひろばの中央に4面の農地を残すことを決定め、管理・運営を住民参加で実施しています。
「花の祭典」でも活用
江戸川区で毎年開催されている「花の祭典」では、ひろばの花を使った「しおり作り」も。このほか鹿骨地域では各イベントやお祭りに「農の風景育成地区」として参加し、活動を周知しています。


地域連携による様々な活動
地域の「農」にふれる取組や活動を「ベジフラブ」と称して様々なテーマで展開するなど、活動の輪が広がるとともに住民視点の取組も話題を呼んでいます。
「ベジフラブ」
野菜(ベジタブル)と花(フラワー)をもっと好きになる(ラブ)クラブ活動です。
今後、花や土とふれあえるガーデンクラブや収穫体験、農業を学べるアグリクラブなどを展開予定です。
「ししぼね寺マルシェ」
「ワークショップによるアイデア集100!」の中にある「お寺でマルシェ」を地区内のお寺と協力して「ししぼね寺マルシェ」として開催しました。このマルシェをきっかけに幅広い世代の人々が気軽に集まり、アイデアを出し合い、それを形にできる場を作りたいという思いから、「鹿骨サーキュラーベース」が発足し、マルシェだけでなく鹿骨地域を良くする様々な企画を住民視点で取り組んでいます。


「SHISHIBONE NEWS」では、これらの取組や今後の進め方などをわかりやすく伝えています。こうした取組を通じ、鹿骨のまち全体が盛り上がることを目指しています。
<参考リンク>