東京の緑

緑の取組事例

掲載日:令和8(2026)年7月29日

農を活用した地域活性化の取組 ~小比企町農の風景育成地区~

小比企町(こびきまち)農の風景育成地区について

「農の風景育成地区制度」とは、農地や屋敷林などがまとまって残る地区を指定して、地域の方とともにまちづくりとして農のある風景を守り、育てる都独自の制度です。

この地区は、令和8(2026)年7月、8番目に指定されました。八王子市東南部地域の小比企町に位置し、丘陵地と谷戸地形による起伏のある地形の中に農地と一体となった景観が形成されています。

古くから農業を営んできたエリアで規模の大きな農地が広がり、畑作を中心に地形を生かし牧場、水田も点在しています。駅近くにまとまった農地(生産緑地)が残るほか、古くからある農地や住宅、また農地から宅地化されているエリアや、市街化調整区域などで構成されています。

写真:暮らしの中で守り育てられてきた農の風景(八王子市提供) 暮らしの中で守り育てられてきた農の風景(八王子市提供)
写真:都市近郊に広がる農の景観(八王子市提供) 都市近郊に広がる農の景観(八王子市提供)

 

「地域懇談会」による地域連携と実証実験

八王子市では、農家などが抱える課題や将来意向等を踏まえながら、小比企地区の農地を活かしたまちづくりについて意見交換を行い、農の風景育成地区指定に向けて検討するため、学識経験者や農家、町会、行政関係者などからなる地域懇談会を令和5年に設置しました。その中で、農家などがやりたいことを抽出し、実現していくため、ワーキングでの意見調整などを経ていくつかの実証実験を行いました。

 

・農地貸借のマッチング

長年継続して耕作されない農地について調査し、地域懇談会の取組や貸借の制度、給食野菜を生産したいと考えていることなどについて所有者に説明した結果、地域貢献につながることを理解頂き、農地の貸借に繋がりました。

 

・"KOBIKI TIMES、Kobiki Journalの発行"

地域の方々にもっと「農業の大切さやプロセスを伝えたい、知ってほしい」との意見をふまえ、フリーペーパーを作成しています。当初は、大々的な広報・周知による農地への一般の人の入り込みを懸念する声もあったため、まずは新聞形式のKOBIKI TIMESを創刊し、少数配布からスタートしました。農家さんの紹介、イベントレポート、収穫カレンダーや農業暦なども掲載し、これまでに3号を発行、総集編であるKobiki Journalも発刊しました。地域に親しまれ、継続が期待されています。

画像:KOBIKI TIMES VOL1(抜粋)(八王子提供) KOBIKI TIMES VOL1(抜粋)(八王子提供)
画像:収穫カレンダー(八王子市提供) 収穫カレンダー(八王子市提供)

 

・"こみちのマルシェ"の開催

農家と消費者を繋げる取組として実施した「こみちのマルシェ」では、地域懇談会の若手メンバー、大学、デザイナー、デザイン事務所、市によりすべてボランティアで運営し、500メートルにわたる手作りのマルシェを実現しました。野菜の直売や収穫体験の実施に加え、小比企で収穫された野菜を使用した芋煮の販売などを行いました。また、スタンプラリーを実施することで来場者の会場内の回遊性を高め、各ブースの魅力をより多くの方に知って頂きました。会場内でのアンケートも実施しマルシェの継続に期待する声が多く寄せられました。

画像:パンフレット(八王子市提供) パンフレット(八王子市提供)
写真:野菜直売の様子(八王子市提供) 野菜直売の様子(八王子市提供)

 

ワークショップによる構想図づくり

多様な取組を通じて得られた地域の繋がりや知見を踏まえ、令和7年度に農の風景育成地区の指定に向けてワークショップによる構想図づくりを行いました。各参加者が今後やりたいことや取組体制についてアイデアを出し、「誰がやるのか」を重視しながらブラッシュアップして「7つの方針」と「30の未来構想アイデア」とあわせて構想図をまとめました。

写真:ワークショップで出た意見(八王子市提供) ワークショップで出た意見(八王子市提供)
写真:ワークショップの様子(八王子市提供) ワークショップの様子(八王子市提供)

 

<参考リンク>