掲載日:令和7(2025)年3月 日
農を活用した地域活性化の取組
~高松一・二・三丁目農の風景育成地区~
高松一・二・三丁目農の風景育成地区について

「農の風景育成地区制度」とは、農地や屋敷林などがまとまって残る地区を指定して、地域の方とともにまちづくりとして農のある風景を守り、育てる都独自の制度です。
この地区は、平成27(2015)年6月、2番目に指定されました。都営地下鉄大江戸線練馬春日町駅の西約500m、光が丘駅の南約1kmに位置しています。地区全体に大規模な生産緑地や農家の屋敷林が残っており、特に長久保道沿いには、景観的にも良好な農地や屋敷林、憩いの森等がまとまっており、良好な農の風景が形成されています。
この地区では、営農を継続できるよう支援を強化するとともに、区民が農と触れ合う拠点を整備することにより、農地や樹林地を保全し、農の風景のある暮らしを未来へ伝えることを目標としています。
営農支援の強化
平成27年3月に、高松一丁目に都市農業の支え手の育成を目的とした「練馬区農の学校」を開校しました。
練馬区立農の学校では、区内農業者を実技講師とした複数のコースの研修を運営しており、修了者を「ねりま農サポーター」に認定し、支え手を必要とする農業者とのマッチングを行っています。

みどりの保全支援の充実

南高松憩いの森(※現「南高松の森緑地」)では、みどりのまちづくりセンターの支援を受け、平成28年7月に「南高松憩いの森ファンクラブ」(※現「南高松もりファンクラブ」)を設立しました。令和2年4月から、区と委託契約を締結し、草刈り等を行っています。生きもの観察会等の自主的な活動も行っており、活動報告として「南高松森もりファンクラブ通信」を発行しています。
農と区民が触れ合う拠点の整備
高松二丁目の農地を公有化し、「高松みらいのはたけ」として令和5年3月に開園しました。園内を自由に散策して作物の成長を観察できるほか、野菜の栽培と中心とした農業体験やマルシェの開催など、農に親しむことができます。

都市農地の魅力向上と発信

この地区では、「ねりま高松農の風景育成地区実行委員会」が、農地がまとまって残り、特色ある地域に愛着を持ってもらうとともに、都市農業の魅力や可能性を理解してもらうための活動を行っています。
また、農の風景育成地区に指定されている貴重な都市農地が残る環境であることを周辺住民や地域来訪者等に周知するとともに、地域の農の風景や直売所を巡ってもらうための「農の風景の旅EDIBLE TOWN MAP」を作成・配布しています。
さらに、農家や地域団体等の協力のもと、ツアーや草木染め等のイベントを開催し、地域の農に対する関心を高めるための取組みを進めています。
区による取組の後押し
練馬区では、地区内の農業者や住民による取り組みを支援するため、令和2年度から補助制度を始めました。令和6年度の補助金は、1団体・1年度あたり100万円までとなっています。
この制度では、農の風景育成地区内の農地や農業の魅力発信や、農地の保全につながる取組を対象としており、広報やイベント会場の設営費、協力者への謝礼などに利用することができます。
<参考リンク>