東京の緑

緑の取組事例

掲載日:令和7(2025)年3月 日

農を活用した地域活性化の取組 ~喜多見四・五丁目農の風景育成地区~

喜多見四・五丁目農の風景育成地区について
喜多見農業公園(世田谷区提供) 喜多見農業公園(世田谷区提供)

「農の風景育成地区制度」とは、農地や屋敷林などがまとまって残る地区を指定して、地域の方とともにまちづくりとして農のある風景を守り、育てる都独自の制度です。  
この地区は、平成25(2013)年5月、1番目に指定されました。世田谷区の西に位置し、地区全体に農地が分布しているため、地区内のどこからも農の風景が感じられます。また、慶元寺や氷川神社等に大規模な保存樹林地や、喜多見五丁目竹山市民緑地等があり、まとまった緑が残っており、「慶元寺の三重塔が見える風景」等の5つの風景が、世田谷区の「地域風景資産」 に選定されています。  
この地区では、農業振興や農地保全とともに、樹林の保全、地域の資産や風景の継承、農を活かしたまちづくり等の取り組みを進めています。

農地及び屋敷林等の保全/農を生かしたまちづくり

農地等を都市計画公園や都市計画緑地に予め指定することで、営農継続できなくなった農地を区が取得し、農業公園や都市公園として保全を図っています。
喜多見農業公園は、喜多見地区の農業の歴史を踏まえながら、畑を中心とした現代の農村風景の保全と区民の農作業体験の場として、地域住民とワークショップを行いながら施設整備プランをまとめました。平成28年3月に開園し、令和元年及び令和6年に拡張した区域も含め、区民が農を体験できる場となっています。
次大夫堀公園は、農業振興等拠点としてより一層充実・発展させるべく、令和元年に里山農園区域を、令和4年に民家園区域を拡張しました。

喜多見農業公園拡張区域(世田谷区提供) 喜多見農業公園拡張区域(世田谷区提供)
次大夫堀公園の里山農園区域(世田谷区提供) 次大夫堀公園の里山農園区域(世田谷区提供)
営農環境の向上

喜多見農業公園において、平成30年度から季節ごとに植え付けや収穫体験を行い、区民に農業・農地の役割や魅力を発信することで、農業・農地への理解を促し、営農環境の向上に取り組んでいます。

喜多見農業公園における収穫体験(世田谷区提供) 喜多見農業公園における収穫体験(世田谷区提供)
地域交流の場としての農地の活用
喜多見農業公園における農業体験イベント(世田谷区提供) 喜多見農業公園における農業体験イベント(世田谷区提供)

宅地化農地を区民農園として活用しているほか、農業振興拠点として、喜多見農業公園では、平成27年9月までの暫定利用の間、地域住民が農作物の作付けや収穫体験できる場として活用しました。整備後は、区から民間事業者への委託とともに、地域住民によるNPO団体の協力を得ながら、各種イベント等を開催し、地域交流の場として活用しました。平成30年度より地域JAに管理運営が引き継がれ、引き続き地域交流の場となっています。

地域への普及啓発

育成地区の農業・農地、これに関わる地域の歴史的な資産を育成地区内外に紹介し、回遊しながら楽しんでもらえるよう、世田谷・みどりのフィールドミュージアム事業(看板設置及びマップの作成・平成26年度実施)により、広く区民に周知しています。

世田谷・みどりのフィールドミュージアム事業の看板(世田谷区提供) 世田谷・みどりのフィールドミュージアム事業の看板(世田谷区提供)

<参考リンク>